スタッフコラム

DTM作曲家が曲を作る時に考えている3つの事

2021年06月28日

 

作曲…。音楽を趣味とする人の中でも大きな魅力を感じている人は多いはず。
 
DTMという概念が登場して以来、作曲というカテゴリはより一般大衆にとって身近な存在になり、誰もが気軽に作曲家デビューする事ができるようになりました。
 
しかし、気軽にとは言え作曲の世界には専門の知識や用語が多く、初めて関わる人が理解に苦しむのは間違いありません。
 
今回はDTMで作曲をしてみたいという人の為に、実際のDTM作曲家達が曲作りの上で考えている事を4つのテーマに絞って解説していきたいと思います。
 
1:ジャンル毎の曲作りの考え方
 
一口に作曲家と言っても、この世界には何前何万もの作曲家が存在していて、誰もが十人十色の個性を持っています。
 
芸術は個性だの没個性だの囁かれる世界ではありますが、誰か一人の芸当を完全に真似できる人間は存在しません。完全にコピーしたとしてもどこか不完全の模倣になる事でしょう。
 
作品の数だけ違った個性があるのですから、当然作曲に於ける概念であったり思想も違うのです。
 
音楽ジャンルに切り分けて考えると分かりやすいのですが、J-Popは基本的にアーティストが直接作曲アレンジを手掛けるのはなく、作編曲家を経由して1つの作品になるパターンが殆ど。
 
とあるベテラン作家さん曰く、J-popでは〝楽曲の個性を重んじるというよりは、誰が歌っても個性を発揮できるような汎用性に重きを置く〟との事で、この考え方はジャズのスタンダードにも似ています。
 
ジャズセッション等に足を運ぶと、テーマ曲が何曲か用意されていて、バンドメンバーを変えながら演奏していくというのが醍醐味とされています。
 
即ち、同じ曲が演奏されているのにも関わらず演奏するプレイヤー次第で違った味が楽しめるのです。
 
ロックバンド等は、ギター・ベース・ドラムのアレンジとボーカルの歌を一体のものとして考える事で全体のアンサンブルの個性を引き出しているものが多いですよね。(勿論この通りではありません。)
 
アイドルの楽曲では、ライブで演奏される事が作曲の段階での前提となっており、お客さんとのコール&レスポンスであったり盛り上がりのパートへの計算が緻密に盛り込まれています。
 
このようにジャンルによって〝求められる曲作りの概念〟は異なります。
 
2:曲のモデルを設ける。
 
どんな才能を持った人でも、何十年と言うキャリアを持つ人であっても、完全なる〝無〟から楽曲を生み出す作曲家は居ないと断言します。
 
温故知新という言葉があるように、現代に蔓延るポップスは長い歴史の中で時代に適応する形で少しずつ進化して来ました。その結果が昨今のオリコンチャートに並ぶヒット曲だと言えます。
 
どんな革新的な楽曲にも必ず〝モデル〟というものが存在し、設定されたモデルを基に作曲家の持ち味であったり時代のトレンドが上手くブレンドされていくものだと思ってください。
 
加えて言うと、楽曲の制作にあたる前に〝どういうスタンスの楽曲〟を作るのかという事も重要な要素です。
 
例えば、サビで裏打ちになる踊れる系のダンスナンバーがあったとするなら、その曲が偶然の気まぐれで生まれたものではないという事です。
 
作曲初心者は偶然に思い付いた〝カッコいいフレーズ〟を種に楽曲を形成していく事が殆どですが、プロの世界では当然このやり方では通用しません。
 
クライアントから提示される予算や条件、楽曲のイメージや意図を汲み取った上で最適解に導いていくスキルが求められます。
 
また、個人の楽曲だけを制作しているアーティストの世界であっても、楽曲制作の根底であるアルバムのコンセプトであったりリスナーのターゲット層等の要因が絡んできます。更に第一線で活躍しているアーティストであればCDやサブスクリプションの売り上げや再生数、時代にマッチしたサウンドやトレンド等に頭を回しているのです。
 
この事から、楽曲の制作に取り掛かる前にどのような曲を作るのかという設定や条件をイメージする事が重要と言えるでしょう。
 
3:どういった場面で使用される楽曲なのかを考える
 
2で触れている事にも通じるところがあります。この考えというのはBGM作曲を生業としている作曲家が最も気にしている部分であると言えるでしょう。
 
例えば、恋愛映画のラストシーン。
 
恋人同士が飾る感動の場面で陽気なレゲエが流れてきたら台無しです。どんな秀逸な脚本があったとしても、観客は興ざめしてしまいます。
 
このようにBGMとは場面の雰囲気を彩る重要な要素となっているのです。
 
また、〝感動系〟と一口に言っても人間がイメージする〝感動〟は様々です。
 
恋愛映画やファミリー映画等から得られる感動と美しい景色を見た時に抱く感動は別のベクトルを持っていると思います。
 
BGM作曲はこのような人間が持つ〝微妙な感情の変化〟の適材適所にマッチする作品を作り上げていくというスキルが求められます。
 

 


DTM 作曲 アレンジ